2018年 情報セキュリティ関連のイベントカレンダー
2017年は世界中に広まったランサムウェアや、サイバー攻撃による大規模な情報漏えいの頻発などにより、情報セキュリティの必要性が強く意識された1年でした。2018年はどのような1年になるのでしょうか。予定されている様々な主要イベントの中から、情報セキュリティが求められるものをピックアップしました。
★国際イベント
2月 平昌冬季オリンピック
6月 FIFAワールドカップロシア大会
世界中から注目を浴びる国際的なイベントは、これまでもハッカーの力を誇示するターゲットとなってきました。2020年の東京五輪に向け、日本も他国の例を学びながら情報セキュリティの対策を推進する必要があります。
★法・制度
国内
1月 休眠預金等活用法が施行。2009年1月1日以降10年以上取引のない休眠預金について、民間公益活動の促進に利用可能に
1月 預貯金口座にマイナンバーの紐づけが開始
4月 マイナンバーカードを健康保険証として利用可能に
6月 改正割賦販売法施行、クレジットカードの決済端末についてICチップ対応が義務化&決済端末とレジを分離
6月 住宅宿泊事業法施行、民泊解禁へ
海外
2018年中 欧州中央銀行が500ユーロ紙幣の発行を停止
マイナンバーの活用が進み、マイナンバーに紐づく情報が増加します。6月には、改正割販法が施行。IC対応の義務化や、決済端末とレジを分離することでクレジットカード情報を店舗に残さないなど、クレジットカードの不正利用等を防ぐ施策が進みます。世界でもキャッシュレス化を推進する動きが加速しています。
★選挙
国内
9月 自民党総裁選
海外
3月 イタリア総選挙
10月 ブラジル大統領選挙
11月 米国中間選挙
2016年の米国大統領選挙や2017年のフランス大統領選挙など、国の将来を左右する重要な選挙へのサイバー攻撃による干渉が相次いでいます。国家をまたいだサイバー攻撃との見方もあり、警戒が求められています。
★通信
12月 BS/110度CS、NHKなどで4K・8K実用放送の開始
2018年後半 世界で5Gサービスの提供開始の可能性[1]
通信は引き続きデータ規模の大容量化を続けます。インターネットに接続するスマートテレビなどIoT機器の増加に伴い、ウイルス感染等、新たな課題も出てきており対策が求められます。
★AI技術の活用(自動車、運輸など)
2018年中 日本郵便がドローンを使った輸送・宅配を開始[2]
2018年中 自動運転レベル3を実現した自動車が国内でも発売予定[3]
2018年度中 宅配会社が自動運転の自動車を実用化[4]
AIを活用した自動運転車の実用化が進みます。2017年には高速道路上で車線変更までサポートする自動運転車が登場し、今年は運転者が主体とならない“レベル3”と呼ばれる自動運転車が発売されるなど、引き続き目が離せない分野です。
2018年も、IoT機器の増加やAI、ブロックチェーンなど新技術の活用が急速に進むと予測され、そうした新たな分野を狙ったサイバー攻撃の手口も巧妙化を続けると懸念されています。進化する技術を安全に活用するために、求められる情報セキュリティの水準もますます高まる1年となりそうです。
(文/星野みゆき 画像/© bht2000 – Fotolia)
参考:
[1] J, Fingas. (2017). AT&T will launch real mobile 5G in 12 cities this year. Engadgt
https://www.engadget.com/2018/01/04/att-true-mobile-5g-launch-plans/
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS30H1M_S7A900C1MM8000/ [3] IT MONOist. (2017). 自動運転レベル3のアウディ「A8」、日本発売は2018年
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1710/31/news036.html [4] 日本経済新聞. (2018). 2018企業どう動く(下) ヤマト、配送維持へ自動運転
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25377170V00C18A1X13000/