イスラエル・サイバーウィーク紀行プロローグ:一度は行こう!イスラエル!

イスラエル・サイバーウィーク紀行プロローグ:一度は行こう!イスラエル!

2017年6月25日から29日、シリコンバレーに勝るとも劣らないハイテク 先進国のイスラエルで、サイバーセキュリティのイベント“Cyber Week 2017”が開催されました。

不正アクセス検知をはじめ、サイバーセキュリティ分野で日本発グローバル企業を目指すカウリスの取締役として、代表の島津敦好、プリンシパルエンジニアの小川秀夫とともにテルアビブやエルサレムを中心に、サイバーウィーク会場や現地のサイバーセキュリティ企業を訪問し、幹部とディスカッションをしてきました。

これから数回に分けて、あまり日本人に馴染みの少ないイスラエルのスタートアップ事情などを、感じたままに肌感覚でレポートをお届けします。第1回は私自身も初めて訪れたイスラエルという国の、メディアではあまり紹介されない生の街の様子をお伝えします。

「百聞は一見にしかず」。今回のイスラエル紀行を一言で表現すると、この言葉に尽きます。日本人のイスラエルに対する認識は「イスラエル→中東紛争→危険な国」という図式でほぼ共通しています。旧約聖書の時代から続くユダヤ人に対する迫害、ローマ帝国時代から続くイスラム教徒とキリスト教との戦い、そして現代における第一次から第四次に及ぶ中東戦争など、歴史的にも争いが絶えない地域という印象が強く、今でも紛争が日常的に起きていると思いがちです。

しかし、現実のイスラエルはまったく異なります。まず到着したのは、経済の中心都市テルアビブの表玄関であるベングリオン国際空港。欧米先進国と変わらないこの空港に降り立ち、入国審査の列に並びました。審査が厳しく遅々として列が進見ませんが、1時間ほどかかりようや入国手続きを終了。バスに乗ってテルアビブ市内へ向かい始めました。最初のうち目に入るのは砂漠や街、といっても古いレンガや石でできていて、砂ぼこりにまみれて古ぼけたような低層建築物。良くも悪くも「ああ中東に来たんだな」という印象が湧きます。

 

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(写真1)テベングリオン国際空港 オシャレなデザインのパブリックスペース

 

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(写真2)ベングリオン空港を入国管理へと進む

 

この印象も、テルアビブ市内に入り一変する景色で高揚感へと変わっていきます。北上する道に沿って、左側には透明度の高いブルーの水が、穏やかな波を立てる地中海。右側には現代的な高層ビルも出現してきます。

街中はそれほどピカピカではないけれども、カフェやちょっとしたコンビニ機能を兼ね備えた街の酒屋など、普通に市民が生活を営んでいる風景が広がっています。どこか南ヨーロッパの田舎町の街並みのようにも感じます。

やがて宿泊先のシェラトン・テルアビブに到着しました。まずはロビーから見える豪華なオーシャンビューにビックリ! 整備された海岸では、老若男女が思い思いにビーチを楽しんでいました。アメリカ資本のホテルグループでもあり、サービスレベルも一定の水準を担保していますので、滞在中の不安もありません。「しまった! 水着を持ってこなかった!」と、思わず叫びました。

 

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(写真3)テルアビブ市内:ユニークなデザインの高層ビル

 

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(写真4)シェラトン テルアビブのエントランス。上部はプール

 

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(写真5)ホテルの窓から望むビーチ

 

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(写真6)テルアビブ市内に何気なく駐車されたフェラーリ

 

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(写真7)テルアビブ市内で客待ちをするメルセデスベンツのタクシー

 

食事は近くのカフェやレストラン、ホテル内のブッフェでの朝食、そしてサイバーウィーク会場での立食が中心でしたが、共通して言えるのは、とにかく「美味しい」こと。特に野菜、フルーツはどこで食べても新鮮でみずみずしく、野菜だけで十分満腹になるまで食べられるほどでした。さらに、地中海が近いこともあり、白身魚、イカやタコなど魚貝類も豊富で、ボイルやフライ、グリルなど色々な形で出てくるが、これらも一様に「美味しい!」。

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三大宗教の聖地が集まるイスラエル旧市街の中で、アラブ人が日常に食する店でランチをとったことがありました。ラムソーセージをあぶり、ピタパンにはさむだけのシンプルなレシピ。見た目はともかくこれが肉の旨味、脂が落ちさっぱりした舌触り、ピタパンとの相性も抜群。10cmほどの長さのソーセージ5本(!)とピタパン、そして後までずっと辛い唐辛子のピクルスが添えられた質素なランチでしたが大満足。ちなみにこれがアメリカドルで8ドル、日本円で1,000円近いので、決して物価は安くはないと言えます。

また人々も友好的で親切、正直。ある日、ホテルの近くの酒屋で缶ビールやおつまみを買うと、15シュケル(約500円)の表示。ところが支払いのときに私が間違えて15ドル手渡そうとすると、お店のおじさんが、「いやいやこれでは多すぎる」といって受け取らないので、私も気づいてシュケルで払い直したことがありました。海外の観光地などでは、こんな時はほとんどそのまま受け取られて、後でこちらがふと気づいても、諦めて気まずい思いをするしかないのがほとんどですが、イスラエルの人は正直で親切だな、と感心しました。

 

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(写真8)海を眺めながらの朝食ブッフェ。野菜やフルーツもたくさん

 

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(写真9)海岸沿いのカフェで夕焼けを眺めながらみんなでワイワイ

 

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(写真10)エルサレム旧市街で、ラムソーセージとピタパンのランチ

 

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(写真11)国内産のビールは町の酒屋で手軽に購入できる

 

このように、イスラエルの第一印象は、こちらの事前認識や偏見をことごとくひっくり返してくれるものでした。つまり、「危険?→安全!」、「汚い?→キレイ!」、「砂漠?→街と海!」、「マズい?→美味しい!」、「不愛想?→友好的で親切!」

唯一、いや二つだけネガティブな点をあげるならば、日本から遠いことと物価が高いこと。この二点を受け入れれば、イスラエルは我々日本人にとってパラダイスとも言えるほどだと思えてきます。そうです!「一度は行こう!イスラエル!」

(次回:「サイバーウィークレポート」に続く)