FATFの審査結果を受け、求められる継続的顧客管理の高度化 ~金融機関に導入が進む新サービスについてご紹介します~

FATFの審査結果を受け、求められる継続的顧客管理の高度化 ~金融機関に導入が進む新サービスについてご紹介します~

コロナの影響で発表が遅れていたFATFの第4次相互審査の結果が発表され、日本はAML、CFTに改善の余地があるとして「重点フォローアップ国」に指定されました。これから5年後に行われる「フォローアップ評価」の前に、3回の改善報告が必要です。

1.FATF第4次相互審査のまとめ

具体的な指摘事項を見てみると、以下の点が挙げられています。
・マネーロンダリングリスクの理解が不十分な金融機関が散見される
・マネーロンダリングのリスク評価が甘い
・法人の実質的支配者情報の把握が不十分
・リスクベースでの継続的顧客管理、取引モニタリングが不十分

つまり今後、各金融機関には以下の一層の対策が求められています。
・実質的支配者情報の収集・活用
・取引モニタリングの高度化
・継続的顧客管理の高度化

2.フロードアラートによる取引モニタリングの高度化

カウリスの不正検知サービス「FraudAlert(フロードアラート)」は、取引のモニタリングについて、これまでにメガバンクをはじめ、地方銀行、クレジットカード会社、証券会社、暗号資産交換業者など数々の金融機関に採用いただき、金融庁の定める「疑わしい取引」を多数検知してきた実績を有しています。また国内で不正利用に用いられたデバイスの情報をデータベース化するフロードアラート最大の特長により、業界をまたいだ銀行や証券会社、暗号通貨取引所、FX、電子マネー間での不正送金事案を捕捉し、被害を最小化する実績も出始めています。

3.継続的顧客管理の高度化に、注目される新サービス

そして現在、2019年より電力各社と検証を重ねてきた新しいサービスが、継続的顧客管理の高度化を検討される金融機関の皆さまから注目いただき、たくさんのお問い合わせをいただいています。このサービスはフロードアラートの不正検知技術と、電力会社の持つ電力設備情報を組み合わせて高度な本人確認を行うもので、当初は主に口座開設やサービス入会の際の本人確認にご活用いただいていました。しかし継続的顧客管理の重要性が高まる中、同サービスを顧客やユーザーの現状確認に利用いただくことへの需要が増加し、現在複数の企業で検証・導入が進んでいます。

金融機関では現在も、ハガキを利用した顧客の継続的な状況確認が行われており、新サービスを導入いただくことで、これまでにかかっていた、また今後継続的に発生するコストを大幅に削減することができます。長く続いてきた既存の手法に変わる新しい手法として期待をいただき、日本経済新聞でも取り上げられました。

連携でマネロン包囲網、電力データ活用 共同で不正検知」日経電子版(2021年9月27日)
資金洗浄 包囲網急ぐ 銀行、電力データ活用 口座保有者の所存確認」日本経済新聞朝刊(2021年9月28日)

4.最新のプライバシーポリシー事情と対策

また最新のプラットフォーマーのプライバシーポリシーの事情として、Apple社のiOS15のようにプライバシー機能をONにすることで端末の個体識別を不可能にしてしまうものがあります。これは違法なコンテンツの取り締まりや犯罪者の追跡を困難にするもので、不正検知の観点から受け入れられるものではありません。しかしプライバシーポリシーが今後も変わり続けていくものであることを考えると、新サービスのようにオンラインとオフラインの複合的な対策を金融機関側が講じておくことも、今後重要になってくると考えられます。

フロードアラートと電力設備の情報を活用した新サービスについて、詳細をご希望の金融機関様は、こちらからお問い合わせください。営業担当から折り返しご連絡させていただきます。同業者様、他の金融機関様などへの豊富な導入実績から得られた運用のノウハウについて、まずは情報提供のみでも結構ですので、お気軽にご連絡ください。